• No : 2059
  • 公開日時 : 2019/12/25 09:45
  • 更新日時 : 2022/11/04 11:23
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数量方程式

数量方程式
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数量方程式(Quantity Equation)とは、一定期間における貨幣流通量Mと貨幣の流通速度VTの積が経済全体の名目取引額PT(物価水準Pと実質取引量Tの積)と等しいという関係を表す式である。数量方程式は以下のように表される。
 
MVT=PT
 
しかし、財やサービスの取引は交換手段としての貨幣を介して行われることから、一般に実質取引量Tを観察することは困難である。また取引量Tは所得が多いほど活発に行われると考えられるため、上式の右辺の名目取引額PTを名目国民所得PYに置き換えた以下の式も数量方程式として用いられる。
 
MV=PY
 
ここでの貨幣の流通速度Vは国民所得を用いて算出した貨幣の流通速度であり、ある期間において貨幣が何回誰かの所得として受け取られたかを表している。
 
数量方程式は古典派の貨幣数量説における代表的な式の1つであり、「フィッシャーの交換方程式」とも呼ばれる。貨幣数量説では、貨幣の流通速度Vは短期的には一定と考えられ、さらに実質国民所得Yは貨幣供給量Mとは独立に財市場で決定されると見なされるため、貨幣量Mは物価水準Pにのみ影響すると考えられている。これを「貨幣の中立性」または「古典派の二分法」という。
 

 

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