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  • 公開日時 : 2020/06/26 10:03
  • 更新日時 : 2022/11/04 11:02
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通貨発行益

通貨発行益
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回答

通貨発行益とは、政府、中央銀行が発行する補助貨幣(コイン)、紙幣から、その製造費用を控除した発行利益である。貨幣鋳造税、シニョリッジ(Seigniorage)とも呼ばれる。
 
t-1期末における名目マネーストック(貨幣発行残高)をMt-1、t期末における名目マネーストックをMtと表すと、t期中に新たに発行したマネーストックは、Mt- Mt-1と表せる。ここで、貨幣を発行する費用をゼロと仮定し、t期の物価水準Ptと表せば、中央銀行は新たに発行した貨幣を用いて、
通貨発行益の式
単位の財を購入できる。これが、通貨発行益、または、貨幣鋳造税である。これは、中央銀行にとっては、貨幣の発行によって購入した財の単位数を表すため、通貨発行益と呼ばれる。一方、民間部門にとっては、中央銀行に移転した財の単位数を表し、あたかも中央銀行に徴税されたかのようにみなせるため、貨幣鋳造税とも呼ばれる。
 
なお、シニョリッジとは、中世の封建領主(フランス語でシニョール、Seignior)が、額面より安い費用でコインを鋳造し、その差額を財政収入としていたことが語源になっている。