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  • 公開日時 : 2018/02/04 01:19
  • 更新日時 : 2018/03/15 17:14
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外部資金調達

外部資金調達
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回答

外部資金調達とは、企業が設備投資などのために必要な資金調達を行う際に、銀行借入や株式発行などを通じて、企業外部から資金を調達することである。

これに対して、外部の資金に頼らず、利益剰余金などの内部留保や減価償却によって蓄積された資金を利用することを内部資金調達と呼ぶ。
 
 
さらに詳しく

 
 
【ポイント】
 

  • 2つの外部資金調達方法
外部資金調達は基本類型として大きく2種類にわけられる。1つは銀行借入や社債発行などを通じて行われるデット・ファイナンスであり、もう1つは株式発行などを通じて行われるエクイティ・ファイナンスである。デット・ファイナンスは負債(他人資本)、エクイティ・ファイナンスは純資産(自己資本)の増加をもたらすため、企業は、資金使途、自社の財務諸表に与える影響、市場の動向などを踏まえて、最適な資金調達方法を選択する必要がある。

デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの大きな違いは、返済義務の有無である。デット・ファイナンスにおける資金提供者は債権者であり、資金調達者である債務者は債権者に対して元利金の返済義務を有する。一方で、エクイティ・ファイナンスの資金提供者は株主であるが、株式を発行した資金調達者は、株主に対して資金の返済義務を有さない。また、負債の利払いは課税対象とならない点が株式の配当とは異なる。

デット・ファイナンスでは、債務者は債権者に対して元利金の返済義務を有する。しかし、債務者が利子の支払いを回避する(契約違反をする)ために、獲得した収入を債権者に偽って申告するかもしれない。しかし、約束通りに契約が履行されない場合には、債務者は信用を失い、以後、資金調達が困難となり、倒産に追い込まれる可能性がある。倒産に関するペナルティが十分に大きい場合には、債務者が契約を履行するインセンティブとなる。すなわち、デット・ファイナンスは、契約違反に対するペナルティによって、債務者が偽りの収入の申告を行わずに約束通りに契約を履行させる機能を有し得る。

債権者と株主の間には、資金調達者からの資金の受け取りに関して優先順位が存在する。資金調達者は、営業活動などによって得た利益から、デット・ファイナンスにおける資金提供者(債権者)への返済を行う。債権者への返済が済み、税金などを差し引いた残余利益を(実際は、蓄積してきた資本の内から還元可能な分を)エクイティ・ファイナンスにおける資金提供者(株主)へ還元することができる。これは、債権者のほうが株主よりも支払順位が優先することを意味している。

なお、デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスにおいて、元利金や配当の支払いに優先順位が存在する一方で、それぞれの外部資金調達手段の中にも優先順位が存在する。例えば、デット・ファイナンスでは劣後債という返済順位が一般の債権者より劣後している債券が存在する。エクイティ・ファイナンスにおいても、配当や残余財産分配において優先または劣後する株式(種類株と呼ばれる)が存在する。

種類株をエクイティ・ファイナンスの1つ、劣後債をデット・ファイナンスの1つとして考える一方で、種類株と劣後債は債券と株式の両方の性格を併せ持ったハイブリッド証券でもあり、実際には基本類型に留まらず、様々な外部資金調達方法が存在する。

  • 日本企業の外部資金調達の変遷
日本企業の外部資金調達の変遷を見ると、資本市場の整備が進む以前は、主に銀行からの借入によって行われていた。また、企業同士の商取引における金融取引、いわゆる企業間信用が多用されてきた。しかし、1980年代以降は、経済のグローバル化、金融・資本市場改革の進展などにより、借入の割合は低下し、株式や社債発行などの直接金融が増加した。近年では、IT技術の発達により、クラウドファンディング(Crowdfunding)など、新しい資金調達手段も台頭している。