通貨スワップ(Cross Currency Swap)とは、取引の当事者間で合意したある期間での異なる通貨の金利と元本を交換する取引である。金利は変動金利・固定金利のいずれでもよいが、異なる通貨の変動金利どうしの交換がもっとも多い。主に海外資金を調達する際に用いられる。
例えば、日本企業がUSドルを必要としているとする。日本企業が米国の銀行でUSドルを調達するかUSドル建債券を発行しようとすると、米国からは海外企業となるため
信用リスクなどから金利が高くなる。同様に米国企業が日本円を必要とする場合、日本で円を調達しようとすると金利が高くなる。このとき両者で日本円とUSドルの通貨スワップを用いる。日本企業は日本で米国企業よりも安い金利で日本円を調達し、米国企業は米国で日本企業よりも安い金利でUSドルを調達する。両者は調達した資金(元本)と後の金利支払いを交換する。その結果、両者は自ら外貨を調達するよりも安い金利でそれぞれUSドル・日本円を調達することができる。
【図】通貨スワップの例
なお、金利のみを交換して元本は交換しない取引はクーポンスワップと呼ばれる。