インフォメーション・メモランダム(Information Memorandum)とは、売却対象となる会社・事業・資産に関する情報を詳細に記載した資料のこと。略してIM(アイエム)とも呼ばれる。
一般的には、売却対象に初期的関心を示した買い手候補に対して、売り手(または売り手のフィナンシャル・アドバイザー)より配布され、買い手候補はインフォメーション・メモランダムの情報を基に、入札に進むか否かや入札条件を判断する。
インフォメーション・メモランダムは決まったフォーマットがあるわけではなく、記載される内容や範囲は売り手の判断に委ねられるが、対象企業・事業の概要、沿革、過去の財務諸表と変動要因分析、市場環境分析、将来の事業計画などが代表的内容である。入札に参加する買い手を募るための資料として、売り手アドバイザーが主導して作成されるケースが多く、そのため売却対象が魅力的に映るよう構成される傾向にある。買い手はその点を認識し、必要に応じて売り手との質疑応答を行うなどして、受領した情報の正確性を精査する必要がある。
インフォメーション・メモランダムに記載される内容は、通常、公開情報では得られない詳細な内容を含むため、配布前には売り手・買い手間で秘密保持契約(Non-Disclosure Agreement, NDA)が締結されることが一般的である。