スピン・オフ(Spin-off)は、一般的には、既存の子会社や一部事業や部門を切り出して新設した子会社の株式を、株主に対して分配することで分離独立させる組織再編行為のことをいう。
他方、切り出した企業の株式を分離元の企業が保有する形態(つまり、親子関係が継続し、独立はしない)を、一般的にはカーブ・アウト(Carve out)といい、
M&Aの実務においては異なる手法として区別されている。
平成29年度及び30年度税制改正により、スピン・オフに係る税制が整備されたことで、特に上場企業においてもスピン・オフの実施が実務的に可能となった。2020年3月には、東証一部において、日本で初めてスピン・オフを通じた
IPOが実施された。
一般論として、スピン・オフを実施する企業には、中核事業への専念やコングロマリット・ディスカウントの解消等、スピン・オフで分離される企業では、迅速・柔軟な意思決定や、資本政策の自由度向上などといった効果が期待される。