ルーカスの逆説(Lucas Paradox)とは、国際的な資本フローは、資本の限界生産性が低い先進国からそれが高い新興市場国へ生じるはずであるにもかかわらず、新興市場国から先進国へ資本が流出している現象を意味する。坂道を上る資本フロー(Capital Flowing Uphill)とも呼ばれる。
ルーカスの逆説を説明する際には、技術、人的資本、制度的構造など、生産性に影響を与える経済のファンダメンタルズの差異に着目するアプローチと、ソブリン・リスクや
情報の非対称性などの国際的な資本市場の不完全性に着目するアプローチとがある。