• No : 2510
  • 公開日時 : 2021/12/01 16:59
  • 更新日時 : 2023/09/01 11:47
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合併

合併
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合併(Merger)は、会社法で規定される組織再編行為の1つで、(2つ以上の)企業の統合や企業買収にも用いられる手法である。合併当事者となる法人が消滅し、合併法人が新設される「新設合併」と、合併当事者のいずれかが存続法人となり、他の当事者は消滅する「吸収合併」に大別されるが、新設合併が行われることは実務上稀である(以下、2社の吸収合併を前提に記載する)。
 
合併により、消滅法人の資産、負債、許認可や契約を含む権利義務が存続法人に包括的に承継されることになる(なお、許認可によっては承継できない場合もある点に留意)。また、特に統合案件においては、一般的に、人事制度を含む社内規定等が統一されることになるため、直接的な統合効果が見込める一方で、異なる企業文化や制度を持つ当事者が直ちに1つになることによる様々な負荷がかかることが想定され、入念な準備や綿密な統合プロセスの策定等が重要となる。この点を考慮し、合併ではなく、株式移転株式交換を活用することで、既存の法人を夫々残す形で統合を実施することも有力な選択肢の1つとなる。
 
合併に係る手続きとしては、会社法上の手続きに加えて、独占禁止法や、上場企業においては金融商品取引法や有価証券上場規定に関連するもの等多岐にわたるが、特に重要な手続きの1つとして夫々の当事者における株主総会の特別決議による承認が挙げられる(一定の要件を充足する際には免除される)。
 
なお、会社法上、日本企業と海外企業の合併は認められていないと解されているが、2007年に会社法が改正され、合併等の対価が柔軟化されたことにより、三角合併等を活用したクロスボーダーの組織再編や買収が可能になった。
 

 

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