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  • 公開日時 : 2018/02/04 01:23
  • 更新日時 : 2020/09/18 10:20
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EBITDA

EBITDA
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EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization、いーびっとだー、いーびっとでぃーえー)とは、金利・税金・償却費控除前利益を意味する。ここでいう金利とは支払利息、税金とは法人税等、償却費とは有形固定資産償却費(減価償却費)及び無形資産償却費を指す。支払利息控除前の利益であることから、債権者と株主双方に帰属する利益である。
 
EBITDAは営業利益や当期純利益のように会計基準や開示規則上定められた利益指標ではないため、発行体や分析を行うアナリスト、投資銀行等によって内容や定義が異なる点に留意が必要である。また、言葉の意味としては上記のとおりであるが、過年度との比較や同業他社との比較のためにしばしば一定の調整をされることがあり、そのような調整されたEBITDAをAdjusted EBITDA(調整後EBITDA)と呼ぶこともある。調整内容は業界や事業によって多岐に亘るが、一般的に一時的な損益(減損や有価証券の売買損益等)や非継続事業に係る損益、事業と関係の無い損益(受取配当金や受取利息等)が調整されることが多い。
 
EBITDAの主な用途は、以下の3つが挙げられる。
  • 利益率の指標(EBITDAマージン)
  • レバレッジドファイナンス、クレジット分析(Debt/EBITDA、EBITDA/支払金利、等)
  • マルチプル法によるバリュエーション(EV/EBITDA)
 
EBITDAの最も大きな特徴として償却費を考慮していない(足し戻している)点が挙げられるが、これはEBITDAの主な用途の1つであるバリュエーションはキャッシュ・フローベースで行うものであるところ、非現金費用である償却費を足し戻すことによって、会計上の指標である利益をキャッシュ・フローに近づけることを意図している。また、償却費は過去行った投資に関する費用であることから、現在若しくは将来の利益を測る上では考慮不要という説明もされることがある。加えて、減価償却の方法及び期間は国や企業によって様々であるが、そのような償却方法の違いによる利益へのインパクトを解消することもEBITDAの意義の一つである。
 
償却費を考慮していない点に関して、ケースによっては誤った分析結果や評価結果を招く可能性がある点に留意する。特に将来においても過去と同様の設備投資(額)が発生する場合、キャッシュ・フローが設備投資を考慮する一方でEBITDAは減価償却費が含まれていないことから、キャッシュ・フローと比較してEBITDAが過大なものとなるほか、設備の保有方針(自社保有or賃借)が異なる会社間を比較する場合に、自社保有の場合であれば設備に関する費用は減価償却費として計算から除かれるが、賃借の場合は賃借料としてEBITDAに影響を与えることから、EBITDAを用いると正確な比較が困難となる。
 

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