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  • No : 1852
  • 公開日時 : 2019/09/30 12:05
  • 更新日時 : 2019/12/11 16:36
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EVA

EVA
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回答

EVA®(Economic Value Added、経済的付加価値、いーぶいえー)とは、Stern Stewart社が商標登録している、債権者と株主の両者に帰属する企業価値を算定するモデルである。
 
具体的には、投資家全体に帰属する利益から、彼らの期待利益額を差し引いたものとして定義される残余NOPATを、投資家全体の資本と対応する割引率であるWACCで割り引く。この残余NOPATの現在価値の合計額に、期首時点における資産簿価と足し合わせることで事業価値が算定できる。
 
【図】EVAのイメージ
EVAのイメージ
 
 
さらに詳しく

 
 
【ポイント】
  • 事業価値を算定する企業価値評価モデル 
EVAとは、残余利益モデルと類似した方法で、投資家全体にとっての企業価値を、会計利益を用いて算定するモデルである。具体的には、投資家全体に帰属する利益であるNOPATから、彼らの期待利益額(WACC×資産簿価)を差し引いたものとして定義される残余NOPATを、投資家全体の資本と対応する割引率であるWACCで割り引く。この残余NOPATの現在価値の合計額を、期首時点における資産簿価と足し合わせたものを算定するというモデルである。
 
残余利益モデルとPBRとの関係に対応する形で、EVAはMVAの値が正になる理由を説明することができる。MVAは事業資産の時価と簿価の差によって定義される。これが正となるのは、下記の第(2)式の第2項が正になる場合である。すなわち、ROAが投資家の要求最低利子率であるWACCを上回る場合に、MVAが正になるのである。
 
【式】
EVAの式
残余利益モデルと同様に、事業資産とNOPATの間にクリーン・サープラス関係と類似した関係が成立している限りにおいて、EVAはフリーキャッシュ・フローモデルと同義になる。すなわち、期首から期末にかけての事業資産の増加額が、NOPATと債権者への利払い及び株主への配当の合計額と一致する関係が必要である。
 
なお、EVAは、モデルを開発したSternらが創立したStern Stewart社の商標である。
 
  • 残余利益モデル、配当割引モデル、EVA 
配当割引モデルと残余利益モデルは、「株主にとっての企業価値」を算定するモデルである。しかし、これらを実際の企業価値評価に用いると、困難に直面する場合がある。
 
例えば、分母の株主資本コストである。典型的な配当割引モデルと残余利益モデルの議論では、ひとまずすべての期間にかけて一定であると仮定している。ところが、企業の事業リスクが変化する場合はもちろん、企業が資本構成を変更させると大きく利率が変化する。株主資本コストが変化することによって、測定される企業価値に重大な誤差が生じる可能性がある。少なくとも、資本構成の変化に伴った資本コストの変動による測定誤差を抑えるのであれば、資本コストとしてWACCを用いるのがよいだろう。
 
他にも、資本構成の変化による節税効果に伴ったキャッシュ・フローや利益の変化が考慮されていない点も問題であると考えられる。EVAは資本構成から独立した企業価値を求めることから、これらに関係する測定誤差を回避することができる。
 
  • EVAの予想精度
残余利益モデルと同様に、EVAは企業価値の算定に評価時点の簿価を用いている。評価時点の実績値を用いることによって、キャッシュ・フローベースの企業評価モデルよりも予想誤差を小さくできると考えられている。またその予想と整合する証拠が蓄積されている。
 

 

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