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  • 公開日時 : 2018/12/26 10:30
  • 更新日時 : 2023/11/17 18:00
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情報の非対称性

情報の非対称性
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情報の非対称性(Asymmetric Information)とは、ある経済主体と他の経済主体の間に情報の格差があることをいう。なお、情報の非対称性には、隠された情報(Hidden Information)と、隠された行動(Hidden Action)の2種類が存在する。
 
隠された情報とは、資金の貸借取引において、取引前に貸し手と借り手に情報の格差が生じている状況をいう。借り手は、貸し手よりも自身の信用の質に関する情報を有しており、その情報を隠すことで、より有利な条件で借入を行おうとする可能性がある。
 
この場合、貸し手は、借り手の信用の質に関わらず全ての借り手に対して平均的な金利での貸借条件を提示することになる。その結果、提示された金利を割高だと感じる信用の質の高い借り手は市場から退出し、提示された条件を割安だと感じる信用の質の低い借り手だけが市場に残ることになる。このような問題を逆選択という。1970年にAkerlofは、情報の非対称性により生じる逆選択の問題を、車の売買市場などの例を用いてはじめて明らかにした。
 
隠された行動とは、貸し手と借り手の間に、取引後に情報の格差が生じている状況をいう。借り手は、貸し手よりも借り入れた資金の投資先に関する情報を有している。取引後に情報の非対称性が生じた場合、借り手が貸し手にとって望ましくない過度にリスクの高いプロジェクトに投資する可能性がある。このような問題をモラルハザードという。
 
 
 

(参考文献)
Akerlof, G. A. 1970. The market for lemons: Quality uncertainty and the market mechanism. Quarterly Journal of Economics 84: 488-500.
 

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