外国為替取引とは、異なる通貨を交換する取引を意味し、「通貨取引」とも呼ばれる。
外国為替取引には、輸出入などの実需取引から派生する取引と、国家間における金融資産の売買や投機的な売買などの資本取引から派生する取引がある。
なお、「外国為替」とは、異なる通貨間の貸借関係を、現金を直接輸送することなく、為替手形などを用いて決済する方法を意味する。
さらに詳しく
【ポイント】
外国為替取引が行われる市場を
外国為替市場と呼ぶ。広義には銀行と顧客の間で取引が行われる対顧客市場も含むが、狭義には、銀行間で取引が行われる
インターバンク市場を指す。インターバンク市場では、対顧客市場で生じた外国為替の持ち高の過不足を調整するため、相互に売買が行われ、この売買は、主として外国為替ブローカーを通じて行われる。
異なる通貨間の交換比率を外国為替相場と呼ぶ。為替相場には、その測り方により、
名目為替相場と
実質為替相場、2国間為替相場と
実効為替相場という概念がある。このうち、2国間名目為替相場とは、貨幣単位で表された通貨間の交換比率を意味し、通常、新聞やニュースで言及される為替相場は、これを指す。例えば、日本円と米ドルとの交換において、1ドル札1枚の価格が100円であるならば、2国間名目為替相場は1ドル=100円と表現する。また、2国間名目為替相場が1ドル=100円から1ドル=110円に変化する時を、「円安・ドル高」、1ドル=100円から1ドル=90円に変化する時を、「円高・ドル安」と表現する。
外国為替相場制度とは、外国為替取引において、為替相場を決定する制度を意味する。為替相場を一定の値に固定する「
固定為替相場制度」、市場の需給に任せて変動させる「
変動為替相場制度」、及び、その中間に位置づけられる「中間的為替相場制度」の3つに大別される。または、「ハード・ペッグ制度」、「ソフト・ペッグ制度」、および、「自由変動」の3つに大別される場合もある。なお、「ペッグ制度」とは、固定為替相場制度のことを意味する。