実効為替相場(Effective Exchange Rate)とは、特定の2通貨間の為替相場だけでは捉えられない、対外的な通貨の価値を測るための総合的な指標であり、他の諸通貨に対する為替相場指数を、貿易比率などを使って加重平均し算出したものである。なお、為替相場指数とは基準時点を100とし、その値の上昇を為替相場の増価と定義した指数である。
例として、今、ある国は米国、ユーロ圏、日本のみと貿易取引を行っており、その貿易比率を対米国50%、対ユーロ圏30%、対日本20%とする。また、その国の
名目為替相場が基準年と比較し、対ドルで30%増価(対ドル為替相場指数は130)、対ユーロで20%増価(対ユーロ為替相場指数は120)、対円で10%減価(対円為替相場指数は90)したとする。このとき、実効為替相場は、0.5×130+0.3×120+0.2×90=119と計算される。これは、基準年の100と比較し、その国の通貨が対外的に19%増価したことを意味する。
上記の例のように、名目為替相場から算出する場合を名目実効為替相場、また、
実質為替相場から算出する場合を実質実効為替相場と呼ぶ。