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  • No : 1296
  • 公開日時 : 2019/03/29 12:08
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金融政策

金融政策
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回答

金融政策(Monetary Policy)とは、通貨当局が行う金融面からの経済政策であり、財政政策とならぶマクロ経済政策の柱である。物価(通貨価値)の安定、適切な雇用水準の維持(景気の安定)、為替相場の安定など、経済のいくつかの側面を望ましい方向に誘導したり、あるいは望ましい状態を維持したりしようとする政策である。
 
上記の目標を達成するため、金融市場調節方針として、短期金利(政策金利)または中央銀行当座預金に関する運営方針を定期的に点検・決定し、これに基づき、公開市場操作、預金準備率操作、基準割引率及び基準貸付利率操作など金融市場調節手段を用い、金融引き締めまたは金融緩和を行う。
 
また、広義には、「金融システムの安定」、すなわち、銀行やその他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、信用秩序の維持する政策も金融政策に含められる場合があるが、通常、これらの政策はバンキング政策などと呼ばれる。
 
 
さらに詳しく

 
 
【ポイント】
 
  • 金融政策の目的と金融市場調節方針
金融政策の目的には、①物価水準の安定、②適切な雇用水準の維持(景気の安定)、③為替相場の安定などが挙げられ、このうちどれを重視するかは、時代、国により変遷してきたが、近年、多くの国では、物価水準の安定が重視されてきている。

中央銀行は物価の安定を主たる目的として金融政策を行うが、物価水準は国内の総需要と総供給の関係を反映し、中長期的に調整されるため、日々の金融政策運営を「今日のインフレ率を〇%にする」という方針に基づき行うことは意味を持たない。このため、日々の金融政策を運営する際、検証可能な具体的な運営方針を決定する必要が生じる。通常、中央銀行は、短期金利(政策金利)または中央銀行当座預金残高に関する運営方針を定期的に点検し決定する。これを、金融市場調節方針と呼ぶ。
 
  • 金融市場調節手段
金融市場調節方針で決定された短期金利または中央銀行当座預金残高に関する運営方針を達成するため、中央銀行は公開市場操作、預金準備率操作、基準割引率及び基準貸付利率操作などの手段を用いる。

公開市場操作とは、中央銀行が、公開市場で国債や手形などの有価証券を売買することにより、中央銀行当座預金の供給量、したがって、マネタリー・ベースを変化させ、これによって、金利やマネー・ストックをコントロールする金融政策の手段である。単に「オペレーション」や「オペ」とも呼ばれる。中央銀行が有価証券を購入する場合を買いオペレーション、売却する場合を売りオペレーションと呼ぶ。

預金準備率操作(支払準備率操作)とは、預金準備率を上下させることにより、市中銀行の貸出量を調節し、マネー・ストックを調整する金融政策手段である。

基準割引率及び基準貸付利率操作とは、中央銀行が市中銀行に貸し出すときに適用される基準割引率及び基準貸付利率を上下させる金融市場調節手段であり、かつて、日本銀行では「公定歩合操作」と呼ばれていた。

また、この他にも、金融市場の不安定化などによって、市場参加者間の資金の過不足がインターバンク市場で円滑に調整されない場合、相対(あいたい)的貸出という形で中央銀行が資金供給を行うことがあり、これには、①日中与信、②貸出ファシリティー・預金ファシリティー、③最後の貸手などが含まれる。
 
  • 金融政策の効果波及経路
金融政策の主たる目的は物価の安定であり、金融調節の主たる手段は、公開市場操作を通じた政策金利の誘導である。金融政策の効果波及経路とは、政策金利の変化が、中長期金利、資産価格、為替相場、銀行の貸出金利などといった、金融市場の条件の変化を通じ、消費、投資、純輸出などの総需要を変化させ、さらには、一般物価水準を変化させる経路を意味する。

主な金融政策効果波及経路として、「金利経路」、「資産価格経路」、「為替相場経路」、「信用経路」という4つの経路が指摘されている。下記図は、金融緩和政策が行われた場合の金融政策効果波及経路を示したものである。
 
【図】
金融政策の効果波及経路の図
(出所)Kuttner, K.N. and P.C. Mosser (2002) “The Monetary Transmission Mechanism: Some Answers and Questions,” FRB NY Economic Policyに基づき、筆者作成

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