イベントスタディ(Event Study)とは、企業に関連したイベント前後の株式の累積異常リターンの動きを検証することで、そのイベントの
企業価値に与える影響や情報の効率性を検証する手法である。
企業価値に影響をもたらすイベントが発生したときには、そのイベントがなかったときのリターンに加えて、そのイベント分の追加的なリターンが発生する。この追加的なリターンを異常リターン(Abnormal Return)と呼び、イベントの企業価値への影響を図る指標として用いられる。イベント発生後、すぐに株価が反映されるとは限らないため、イベント日前後の異常リターンを合計した累積異常リターンを用いて検証が行われる。
図のように、ポジティブなイベントが発生したときに、イベント発表直後に株価が上昇し、その後も同じ水準で株価が推移している場合には市場は効率的であるといえる。それに対して、イベント発生後、株価に変化が生じない、または十分に株価が上昇せず、その後も長期間にわたって株価が上昇し続ける場合は、市場が過小反応しているといえる。また、イベント発表後、1度上昇した株価が、その後低下する場合には、市場が情報に過大反応しているといえる。
【図】イベント発生後の累積異常リターン