マネタリー・ベース(Monetary Base)とは、中央銀行が供給する通貨であり、下記式で表されるように、
現金通貨(C)と中央銀行当座預金(R)を合わせたものとして定義される。
なお、マネタリー・ベースは、ハイパワード・マネー(High-Powered Money)、あるいはベース・マネー(Base Money)とも呼ばれる。
日本銀行の実際のバランス・シート上の負債項目には、資本金、引当金、政府預金などが含まれているが、これらを捨象すれば、以下の図のように簡略化できる。この図で示しているように、マネタリー・ベースは、中央銀行から民間部門に対する債務として定義される。現金通貨のうち、日本銀行が発行する日本銀行券は、日本銀行にとって債務証書としての性格をもつため、バランス・シート上では負債項目に計上されている。
なお、日本銀行は、市中に出回る貨幣供給量(
マネーストック)をコントロールするため、その金融調節手段としてマネタリー・ベース(ハイパワード・マネー)を用いている。
【図】
(参考文献)
晝間文彦,『金融論(第3版)』,新世社,2011年