VaR(Value at Risk、ばりゅー・あっと・りすく)とは、市場リスクを定量化するための手法の1つで、ある資産を一定期間保有したときに起こりうる予想最大損失額を計測する手法である。具体的には、(1-α)%水準のVaRは、以下を満たすように計算される。
Pr(損失額>VaR)=α
ただし、Pr(x)はxという事象が生じる確率を表している。すなわち、(1-α)%水準のVaRは、確率(1-α)%の範囲内で生じる最大損失額の水準を表す。
保有資産の価格の動きが以下の図のような確率分布に従っている場合、VaR以上の損失が生じる累積確率の大きさがαとなるときの価格を、(1-α)%水準のVaRという。
VaRは、過去のデータを用いて求めることが多い。そのため、客観的に将来の予想最大損失額の分析を行うことができるが、過去と将来とでは資産の分布が異なっている可能性があるため、適切な分析ができない場合もある。また、過去のデータが少ない、あるいは存在しない場合には、分析が困難となる。