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  • No : 2288
  • 公開日時 : 2020/06/26 10:02
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ペソ問題

ペソ問題
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回答

ペソ問題とは、実現する確率は低いが、実現した場合には資産価格を大きく変動させるような政策変数や、政策レジームの変化に関する期待が、現在の資産価格に影響を与える現象を意味する。このような期待が実際に実現しない場合、実現する資産価格と事後的に観察される経済ファンダメンタルズは非整合的となり、事後的にバブルが観察されることになる。
 
ペソ問題という呼称は、1976年のメキシコ・ペソの公定相場切り下げ期待が為替市場に与えた影響にちなんでつけられたものである。当時、メキシコでは固定相場制度が採用されていたが、市場ではメキシコ・ペソが早期に切り下げられることが予想されたため、先渡為替相場が減価したが、1976年9月まで切り下げられなかった。このため、事後的には、先渡為替相場が直物為替相場を正しく予測できていなかったように観察された。
 
このペソ問題は、資産価格理論の消費CAPMにおいて、政策変数や政策レジームの変化のみならず、戦争、エピデミック、自然災害などわずかな確率で生じる大規模なショックを幅広く考慮したレア・ディザスター・モデルとして定式化されている。
 
 
 

(参考文献)
橋本優子・小川英治・熊本方雄『国際金融論をつかむ』(有斐閣)

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