安定的投機(Stabilizing Speculation)とは、合理的な投資家の裁定取引によって、非合理的な投資家が市場から淘汰される結果、
変動為替相場制度下においても為替レートは安定するという考え方を意味する。
合理的な投資家は、為替レートの適正相場を正確に知っているため、例えば、円が適正相場よりも円高となったときには、将来の円安を予想して円を売るため、実際に為替レートは円安となり、適正相場に収束する。
これに対し、非合理的な投資家は、円が適正相場より円高となったときに円を買うため、為替レートの変動は大きくなるが、このような取引によって、非合理的な投資家は損失を被るため、自然淘汰により市場からの退出を余儀なくされる。