経済収斂条件とは、マーストリヒト条約(1992年締結、1993年発効)において定められた、ユーロを導入し欧州通貨同盟に参加するための条件を意味し、「マーストリヒト基準」とも呼ばれる。
具体的には、以下4つの条件が設けられている。
- 過去1年間、消費者物価上昇率が、消費者物価上昇率がもっとも低い欧州通貨制度(EMS)加盟3か国の平均値を1. 5%超上回らないこと
- 為替レートは、少なくとも2年間、欧州為替相場メカニズム(ERM)の許容変動幅内にあって、切り下げがないこと
- 金利については、過去1年間、消費者物価上昇率がもっとも低い加盟3か国の長期金利の平均値を2%超上回らないこと
- 国内総生産(GDP)に対して財政赤字が3%以内であり、GDPに対して政府債務が60%以内であること
なお、経済収斂条件は、ユーロを導入しようとする国に適用されるのに対し、
安定成長協定はユーロを導入した国に適用される。