ストック・オプション(Stock Option)とは、企業の経営者や従業員にインセンティブ報酬として付与される自社の株式を購入できる権利、すなわち新株予約権のことをいう。
企業業績が好調で、株価が上昇する場合には、ストック・オプションを付与された者は、ストック・オプションの権利を行使し、株価と行使価格の差額を利益として獲得できる。ストック・オプションは、企業の経営者や従業員が業績向上に向けて努力するインセンティブを付けるために有効な手段として広く利用されている。
新株予約権は、既存株主の利益と深くかかわっているため、会社法236条では、新株予約権を発行する際に、新株予約権の目的である株式の数、行使期間、行使される際に出資される財産の価額などの主要な事項を決める必要があり、さらに、これらの決定事項は原則として、
株主総会の特別決議によるものであることが定められている。
ストック・オプションは、通常型、有償型、株式報酬型という3種類にわけられている。通常型ストック・オプションとは、将来の一定期間において、あらかじめ決められた価格で行使できるものをいう。有償型ストック・オプションとは、将来の一定期間において、新株予約権の発行時の株価で行使できるものをいう。株式報酬型ストック・オプションとは、行使価格が1株あたり1円で設定されるものであり、「1円ストック・オプション」ともいわれる。2000年代半ばから、日本では企業役員の退職慰労金制度を廃止し、その代わりに「1円ストック・オプション」を導入する企業が増えてきた。