FRB(Federal Reserve Board、連邦準備制度理事会)は、米国の中央銀行制度であるFRS(Federal Reserve System、連邦準備制度)の最高意思決定機関である。FRSにおいては、12の主要都市に散在する連邦準備銀行(Federal Reserve Bank)をFRBが統括している。FRBは、ワシントンD.C.に本拠が置かれ、7名の理事(うち議長1名、副議長1名)から構成される。
FRBの主な業務は、
公開市場操作を含む
金融政策の決定のほか、連邦準備銀行の統括・監督、市中銀行に対する支払準備率の設定、連邦準備銀行が設定する割引率(公定歩合)の審査・決定などがある。
また、金融政策の手段である公開市場操作を決定するのは
FOMCで、これはFRBの7名の理事の他、5名の連銀総裁(ニューヨーク連銀総裁のほかは、11地区連銀からの輪番制)で構成され、約6週間ごとに年8回、定期的に開催されるほか、必要に応じて随時開催される。連邦準備銀行は、実際の中央銀行業務を行う。
近年、多くの中央銀行では、物価の安定を金融政策の主要な目的と位置付け、景気・雇用の安定は副次的な目的と位置付ける場合が多いが、FRSでは、その根拠規定である連邦準備法(Federal Reserve Act)において、最大雇用(maximum employment)、物価の安定(stable prices)、長期金利の安定(moderate long-term interest rates)を掲げている。このうち長期金利の安定は物価の安定のもとで実現されることから、金融政策の目的は物価の安定と景気・雇用の安定の2つであると解釈できる。このため、毎月第1金曜日(夏時間:日本時間午後9時半、冬時間:日本時間午後10時半)に発表される
米国雇用統計は、今後の米国の金融政策の動向を判断する材料とされ、市場関係者から注目されている。