参照点(Reference Point)とは、
プロスペクト理論において利得と損失の判断を分ける基準点である。意思決定者は参照点からの変化によって、損得を判断する。意思決定者は参照点よりも高い利得を獲得するときにはリスク回避的になり、損失を被るときにはリスク愛好的となる。投資に関する研究では、購入時点の株価や現在の一株あたり配当が参照点と考えられている。
参照点の例として、以下のような2つの質問を考える
① 単に10万円もらえる。
② 20万円もらえると約束されたが、そのすぐ後に10万円に減額された。
この質問は①も②も最終的にもらえる金額は10万円であるが、①はうれしく感じ、②は悲しく感じる、あるいは①よりもうれしくないと感じる人が少なくない。これは①は0円が参照点であったのに対して、②は20万円が参照点となっていることから、同じ10万円という獲得金額でも①では得をしたと感じ、②では損をしたと感じるように基準点によって感じ方が異なるためである。