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  • No : 1862
  • 公開日時 : 2019/09/30 12:05
  • 更新日時 : 2019/12/11 15:19
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アレの逆説

アレの逆説
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回答

アレの逆説(Allais Paradox)とは、不確実性下の意思決定における逆説であり、期待効用理論における独立性の公理に対する反例の1つである。
 
アレの逆説では、次のような意思決定問題を考える。まず、以下のようなくじAとくじBから1つのくじを選択する。
 
くじA: 確実に1,000円がもらえる。
くじB: 10%の確率で1,200円、89%の確率で1,000円がもらえ、1%の確率で何ももらえない。
 
次に、以下のようなくじCとくじDから1つのくじを選択する。
 
くじC: 11%の確率で1,000円がもらえ、89%の確率で何ももらえない。
くじD: 10%の確率で1,200円がもらえ、90%の確率で何ももらえない。
 
多くの人々は、1つ目の問題ではくじAを選択し、2つ目の問題ではくじDを選択する。しかし、このような意思決定は、期待効用理論における独立性の公理に反している。その理由は下記図のように示される。
 
【図】
まず、それぞれのくじについて、次のような分解が可能である。
アレの逆説の図1つ目の問題について、89%で1,000円がもらえる部分は両者で共通しているため、独立性の公理によれば、この部分は両者の選好関係に影響しない。一方で、2つ目の問題についても、89%で何ももらえない部分は両者で共通しているため、独立性の公理により、この部分も両者の選好関係に影響しないことが分かる。選好関係に影響が及ぶ残りの部分を見ると、1つ目の問題と2つ目の問題が本質的に同じ意思決定問題であることがわかる。
 
したがって、もし独立性の公理が満たされているのであれば、1つ目の問題でくじAを選択する人々は、2つ目の問題でくじCを選択するはずである。しかし、多くの人々は2つ目の問題ではくじDを選択する。このような現象をアレの逆説と呼ぶ。
 
人々がアレの逆説に見られるような意思決定を行う背景には、1つ目の問題でくじAが選好されたケースのように、確実性効果の存在が考えられている。
 

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