自社株買い(Stock Repurchase)とは、既存株主から発行済み株式を買い取ることであり、
ペイアウト政策手段の1つである。自社株買いにより、株式の買い戻しによる単位当たりの
株式価値の上昇を通じて、自社株買いに応じなかった既存株主に対しても株主還元を行うことが可能である。
また、自社株買いによって買い取られた株式を消却せずに保有し続け(
金庫株)、
株式交換による
M&Aや、従業員に対する報酬支払手段(
ストック・オプション)などに使用することが可能である。
日本では、株式の消却のほか例外的な場合を除いて、自社株買いは原則禁止であった。1994年の商法改正により、一部の制限(例えば、取得できる株式数が発行済み株式の3%以内など)のもとで解禁され、株式消却に関する規制もまた緩和された。しかし、このときの商法改正では金庫株の保有は認められず、また特定の目的のためにしか自社株買いを行うことができなかった。1997年に再度の商法改正が行われ、ストック・オプション制度の導入や、取得可能株式数の引き上げ(3%から10%へ)などが行われた。そして、2001年の商法改正により金庫株(自社株保有)が解禁され、特定の目的や使途がなくとも自社株買いが可能となり、取得可能株式数に関する規制が撤廃された。