アルゼンチン通貨危機(Argentina Financial Crisis)とは、2000年代初めにアルゼンチンで発生した、経済危機に伴う
通貨危機である。
2000年から2001年にかけて、アルゼンチン政府に対する信認の低下から債務危機の懸念が高まり、海外への預金流出による金融危機と
外貨準備高減少による通貨危機が併発、2002年初めに
変動為替相場制度へ移行した。
1990年代のアルゼンチンは
固定為替相場制度のなかでもいっそう厳格で
投機攻撃に強いといわれる
カレンシーボード制度を採用していた。しかし国内の銀行部門の流動性危機が金融システム全体に波及したことで外貨準備高が次第に減少し、カレンシーボード制度に関する懸念が高まり、この懸念は外貨準備流出をより加速させた。政府は預金引出や外貨の国外送金を制限する対策を取ったが、カレンシーボード制度を放棄した。