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  • No : 2746
  • 公開日時 : 2023/09/01 11:28
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デュー・ディリジェンス

デュー・ディリジェンス
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デュー・ディリジェンス(Due Diligence、買収監査)とは、買い手がM&Aや投資を行うにあたって、売り手との最終契約書の締結前に対象会社または対象事業の実態を詳細に把握するために実施される一連の調査である。
 
実務上、DD(ディーディー)やデューデリと省略して呼ばれることも多い。
 
 
さらに詳しく

 
 
【ポイント】
 

  • デュー・ディリジェンスの目的・位置付け
買い手がM&Aや投資を行うにあたって、対象会社または対象事業の適正な価値や潜在的なリスク要因、スタンドアローン・イシューの有無、想定されるシナジー、取引実行に必要な手続き、クロージング後におけるポスト・マージャー・インテグレーション(PMI)に必要となる対応事項等を事前に把握することが主な目的である。買い手はデュー・ディリジェンスの結果を踏まえ、M&Aの実行可否の判断、最終的な取引価格や取引条件、取引スキーム、クロージングの前提条件等を検討するため、M&Aにおいて重要なプロセスの1つである。

デュー・ディリジェンスの実施タイミングとしては、M&Aの進行方式が相対方式の場合は買い手及び売り手間での基本合意後、入札方式の場合は一次入札通過後の二次入札において実施されることが多く、いずれの進行方式においても最終契約書の締結前に実施される。なお、入札方式の場合は複数の買い手候補が同時にデュー・ディリジェンスを実施することも多い。

支配株主によるM&A取引等、案件の概要によっては、省略または簡易的なものとする場合もあるものの、デュー・ディリジェンスの実施は最終的には買い手役員の善管注意義務に帰着する側面もあることから、対象会社または対象事業の業種や規模の大小に関係なく、実務上、ほとんどのM&A案件において実施されている。

  • 調査項目の検討及び専門家の起用
ビジネス、法務、財務・税務が一般的な調査項目とはなるものの、対象会社または対象事業の業種や属性によっては、環境、IT、人事等も調査項目とする場合もある。弁護士や会計士等の専門家を起用のうえ、実施することが一般的であり、調査項目によっては、専門のコンサルティング会社等も併せて起用する場合もある。買い手は、案件の概要、対象会社または対象事業の業種や属性を踏まえ、調査項目や深度について事前に十分な検討が必要である。

  • デュー・ディリジェンスにおける実務
M&Aを検討しているという事実を含め、本プロセスにおいては多くの機密情報を取り扱うことから、買い手・売り手、共に情報管理には十分留意する必要がある。万一、情報漏洩が生じた場合には、情報漏洩対応の為のスケジュール遅延、(上場会社の場合は)予期せぬ株価変動、また、最悪の場合M&Aの検討を中止しなければならない可能性もある。
 
売り手から買い手への資料開示は、基本的にはデータルームにて行われるが、社内規定や各種契約書、事業計画及びその詳細データや財務諸表を含む財務データ、その他買い手からの依頼資料等をはじめ、開示資料は相当量となる事が多いため、実務負担や情報漏洩リスクを軽減する観点からも、近年はバーチャルデータルーム(Virtual Data Room、VDR)が使用されるケースが増えてきている。
 
売り手からの資料開示を踏まえ、買い手から質問事項や追加の資料開示の依頼等を取り纏めた書面(実務上、「Q&Aシート」と呼ばれることが多い)に対して、随時、売り手が書面回答・追加の資料開示を進めていくといった両者間でのQ&Aシートのやりとりをベースとしながらも、経営層(マネジメント)とのインタビューや各種調査項目において実態を詳細に把握している実務者とのインタビューも併せて実施することが一般的である。また、対象会社または対象事業の業種や属性によっては、工場や施設等へのサイトビジット(Site Visit、現地視察)を実施することも多い。

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