利益調整(Earnings Management)とは、会計基準が認めている範囲内で会計利益の数値を調整する行動である。具体例としては、減価償却の償却方法を加速償却法(定率法)から定額法に変更することで利益を調整する行動が挙げられる。
利益調整には2つの手法がある。1つが
発生主義会計上の処理や見積もりを変更する方法であり、
会計的利益調整(Accruals Earnings Management)と呼ばれる。減価償却の償却方法の変更や、引当金の見積もりを変更することが挙げられる。
もう1つがキャッシュ・フローそのものを変更する方法であり、
実体的利益調整 (Real Earnings Management)と呼ばれる。これには、研究開発投資を抑制すること、棚卸資産を押し込み販売することが挙げられる。
なお、会計数値の調整においてネガティブなニュアンスを含める場合には、会計操作(Accounting Manipulation)と呼ばれることが多く、会計基準が認める範囲を越えた数値の変更は会計不正(Accounting Fraud)や粉飾決算(Window Dressing)などと呼ばれる。