マーケットインデックス(Market Index)とは、株式や債券などについて、特定の国や地域、産業の全体の相場動向を数値的に示すものである。マーケットインデックスを見ることによって、対象とする国や地域の経済動向を知ることができるため、景気の指標や運用パフォーマンスを測定するときのベンチマークとして用いることができる。
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【ポイント】
マーケットインデックスは複数の株式を合算した値であり、合算するときに単純平均(修正単純平均)を用いるか時価総額での加重平均を用いるかによって異なる値となる。
【表】マーケットインデックスの計算方法
単純平均指数の場合、採用銘柄の株価の合計を株式数で割るため、値嵩株の価格変動の影響を受けやすい。加重平均指数の場合、時価総額で調整されているため、値嵩株の影響は単純平均指数に比べ受けにくい。加重平均指数のメリットとして、価格が変動しても、それに応じてウェイトも変動するため、ポートフォリオの入れ替えを行う必要がない点が挙げられる。
また、加重平均指数は、
CAPMにおけるマーケットポートフォリオに近いものである。従って、市場が効率的ならば、マーケットポートフォリオを超えた収益をあげることはできないため、加重平均株価のリターンはパフォーマンスの尺度として用いられる。その一方で、過大評価されている株式が存在しているときには、その分だけ時価総額のウェイトが大きくなるというデメリットがある。
マーケットインデックスは、運用のベンチマークとして用いられることが多い。そのため、マーケットの動向を客観的に判断できる指標であることが求められる。その評価の観点として、以下の4つが重要視されている。
- 代表性:マーケットインデックスが対象とする国や地域、セグメントの動向を適切に反映しているか
- 透明性:指数作成のルールやコンセプトが明確であるか
- 流動性:多くの投資家にとってプライスインパクトが小さいまま取引が可能であるか
- 投資可能性:構成銘柄に実際に投資することが可能であるか
投資運用においてマーケットインデックスは、様々な使われ方をしている。パッシブ運用ではマーケットインデックスに連動することを目標に運用が行われる。アクティブ運用では、運用成果の比較対象としてマーケットインデックスが用いられることが多い。
近年では、時価加重による投資比率ではなく、ROEや売上高、キャッシュ・フローのような企業のファンダメンタルの大きさによって、銘柄選定や構成比率を決定し、より高いパフォーマンスを獲得することを目指したスマートベータ運用が注目を集めている。日本市場においては、
JPX日経400と呼ばれる株価指数が2014年から公表されるようになっている。