Fama-French 3ファクターモデルとは、リターンの変動について、マーケットリスクに加えて、企業規模の差と簿価時価比率によって説明できるモデルである。このモデルはFamaとFrenchによって1993年に提唱されたモデルであり、
CAPMに比べ、モデルの精度が高いことから、多くの実証研究で用いられている。
具体的には、資産iのリターンをR
i、安全資産のリターンをR
f、
マーケットポートフォリオのリターンをR
Mとしたときに下記式で表されるモデルである。ただし、SMBは企業規模(時価総額)に関するリスクファクター、HMLは簿価時価比率に関するリスクファクターであり、β
MKT、β
SMB、β
HMLはそれぞれのリスクファクターに対する感応度である。
SMBとHMLは下記図のように企業を時価総額の大きさで2種類(B、S)、簿価時価比率の高さで3種類(H、M、L)にわけ、6つのポートフォリオを作成し、企業規模の小さいポートフォリオの平均リターン((SH+SM+SL)/3)と、企業規模の大きいポートフォリオの平均リターン((BH+BM+BL)/3)の差からSMBを、HMLは簿価時価比率の高いポートフォリオの平均リターン((BH+SH)/2)と、低いポートフォリオの平均リターン((BL+SL)/2)の差から求める。6つの分類の境界(分位点、Breakpoint)は、上場市場を考慮して設定されることが多い。
(参考文献)
Fama, E. F., & French, K. R. (1993). Common risk factors in the returns on stocks and bonds. Journal of financial economics, 33(1), 3-56.