量的・質的金融緩和政策とは、
日本銀行が2013年4月に導入した金融緩和政策であり、第2次安倍内閣が
デフレーション脱却策として掲げた「三本の矢」の1つである「大胆な金融緩和」を実現したものである。QQE(Quantitative and Qualitative Monetary Easing)とも呼ばれる。
そこでは、第1に、目標インフレ率2%を2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現すること、第2に、金融市場調節の操作目標を
無担保コールオーバーナイト物金利から
マネタリー・ベースに変更すること、第3に「量」的緩和政策として、長期国債の保有残高を年間約50兆円に相当するペースで増加させることにより、マネタリー・ベースを年間約60~70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行うこと、第4に、「質」的緩和政策として、買い入れる長期国債の平均残存期間を3年弱であったものを7年程度にすること、不動産投資信託(J-REIT)、上場投資信託(
ETF)の保有残高を2年間で2倍に相当するペースで増加させ、リスク資産を買い増すことにより、「量・質ともに次元の違う金融緩和」を実施することとされた。
また、2014年10月には、追加緩和として、マネタリー・ベースの増加額を年間約60~70兆円であったものを年間約80兆円に拡大し、買い入れる長期国債の平均残存期間を7~10年程度に延長すること、ETF、J-REITの保有残高を年3倍に相当するペースで増加させることなどが発表された。
さらに、2015年12月には、補完措置として、買い入れる長期国債の平均残存期間を、2016年から7~12年程度にすること、金融機関が保有する外貨建て証書貸付債権や住宅ローン債権も日銀オペの適格担保に追加すること、新たなETF買い入れ枠を設定することなどが発表された。