フォワード・ガイダンスとは、中央銀行が将来の
金融政策の方針を前もって表明することによって、市場参加者の予想や期待に働きかけることで、金融政策の効果を高めることを意味する。
例えば、日本では1999年2月に
ゼロ金利政策が導入されたが、同年4月の総裁記者会見では「デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢になるまで継続する」旨、表明された。これは、政策金利に関するフォワード・ガイダンスであり、将来にわたり事実上のゼロ金利が続くという市場の期待を強化し、
金利の期間構造における「
純粋期待仮説」を通じ、長期金利を引き下げる効果を持つ。これを「時間軸効果」と呼ぶ。
また、2013年4月に決定された
量的・質的金融緩和政策においては、その継続条件として、「2%物価安定目標を安定的に実現するために必要な時点まで継続する」とされた。これは、資産買い入れに関するフォワード・ガイダンスの例である。また、このように期限を明記せず、政策目標の達成とリンクさせる形で実施する場合、「オープンエンド型」のフォワード・ガイダンスと呼ばれる。