絶対的リスク回避度は、金額で考えたときの
リスク・プレミアムと近似的に比例関係にある。そのため、絶対的リスク回避度の高い投資家は、それが低い投資家に比べて、高い金額のリスク・プレミアムを要求する。リスクに対する見返りを絶対額で要求することから「絶対的」と呼ばれる。
リスク回避度は、効用関数の曲がり具合を表した数値である。富が変化したときの効用関数の曲がり具合が大きければ、リスク・プレミアムは高くなるため、よりリスクへの見返りを求める。したがって、効用関数の曲がり具合の大きい投資家ほどリスクを避けたがっているといえる。
この曲がり具合は関数の二階微分で表され、上記式の分子に対応している。これを分母の一階微分で除することで基準化している。この基準化は、
フォン=ノイマン・モルゲンシュテルン型効用関数が基数的効用であることを反映している。すなわち、効用関数を定数倍した場合でも一階微分と二階微分の比は一定になるため、元の効用関数で表される
選好関係は維持される。
なお、資産の変動率をリスクの大きさと捉え、投資家がそのようなリスクをどれだけ避けたいと考えているかを数値化したものを
相対的リスク回避度という。