エージェンシー仮説(Agency Hypothesis)とは、主に株主と経営者の間の利害が一致しないことで、経済的なコストであるエージェンシーコストが発生すると考える仮説のことである。
例えば、所有と経営の分離により、株主と経営者の間で利害対立が生じる可能性がある。利害対立が生じる場合、経営者に株主の利潤最大化を目的として行動させるために、株主は経営者の
モニタリングや金銭的報酬等によるインセンティブを与える必要があり、そのためにはコストがかかる。この株主が経営者を規律付けるために必要なコストはエージェンシーコストに含まれる。
上記の利害対立は、株主と経営者の間だけではなく、株主と債権者の間、債権者と経営者の間にも生じる可能性があり、それぞれの利害対立によって生じる問題(
エージェンシー問題)を緩和するために、エージェンシーコストをかける必要がある。