選好の完備性(Completeness)とは、個人が意思決定を行う際に、その意思決定から生じるすべての結果の組に対して、選好関係が明らかにされていることを指す。完備性は、
期待効用理論の公理の1つである。
例えば、個人がリンゴ、ミカン、バナナの中から1つを選ぶ意思決定を行うと想定する。このとき、「リンゴとミカンのどちらが望ましいか」、「ミカンとバナナのどちらが望ましいか」、「バナナとリンゴのどちらが望ましいか」の全てに関して、その個人にとっての好みや望ましさといった選好関係が明らかにされているのであれば、選好の完備性が満たされているという。