チェンマイ・イニシアティブ(Chiang Mai Initiative、CMI)とは、2000年5月にタイのチェンマイで開催されたASEAN+3財務大臣会議で合意された地域金融協力の取極を意味する。
この取極に基づき、日中韓とASEAN5か国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)の間で、2国間
通貨スワップ取極が網の目のように締結され、
通貨危機の際に各国が
外貨準備を融通し合う仕組みが構築された。
その後、2009年には、CMIのマルチ化(Chiang Mai Initiative Multilateralization、以下:CMIM)が合意され、2010年に発効した。これは、これまでの2国間通貨スワップ取極から、多国間の単一通貨スワップ取極に移行することで、
通貨スワップ発動に必要な手続きを共通化し、通貨危機の際に、多国間取極を発動できるようにするものである。
これにより、外貨準備を多国間で迅速・円滑に融通し合うことが可能となった。また、それまで参加していなかったブルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの5か国も新たに加わり、ASEAN+3の全13か国が参加するようになった。取極の規模も1,200億ドルに拡大した。
さらに、2012年には、CMIMの強化策が合意され、2014年7月にはCMIM改訂契約が発効した。この改訂では、危機予防(Precautionary Line, PL)の機能が導入され、規模も2,400億ドルに倍増した。